心臓にはいつも血液が満たされ、出たり入ったりして動いています。動いている状態のままで心臓の手術をすることも一部では行われていますが、手術のしやすさという面からは、心臓から血液を排出(脱血)して動きを止めた方が好ましいことになります。
しかし、心臓から血液を抜いてしまうと全身に血液が回らなくなり、人間の臓器は3〜4分でもとに戻らないほどの大きなダメージを受けてしまいます。
そこで、心臓につながる動脈や静脈から、チューブなどを使って血液を身体の外に出し、そこで血液を循環させ、静脈血に酸素を供給(ガス交換)して、再び体内に戻す技術が開発されました。これを体外循環と言い、それに使われる医療機器を人工心肺システムと呼んでいます。
体外循環の技術は戦前から動物実験が行われていましたが、1953年アメリカの外科医ギボン博士によって初めて心臓手術に使われ成功しました。日本では、1956年に初めて行われました。
人工心肺システムは、主に心臓の役目をするポンプ(人工心肺装置)と、肺の役目をする人工肺、その他熱交換器やフィルター等の機器によって構成され、手術中に呼吸と循環の二つの機能を代行します。
開発当初の人工肺は、血液の中に酸素を直接流し込んでいましたので、細胞である血球が壊れてしまったり、固まってしまったりするなどの問題が起こりました。その後、1980年頃から、中空糸と呼ばれる細いストロー状の合成膜の内側に血液を通し、外側に酸素を通すことによって、人間の肺と同様のガス交換を行うようになり、安全性が飛躍的に向上しました。
このような人工心肺システムを用いた体外循環技術の発達により、心臓手術の安全性が高まり、現在では世界で年間100万例以上の心臓手術が行われています。

<人工心肺システムの概念図>
ソーリン・グループは、Dideco、Sorin、Cobeと3つのブランドの人工肺で常に体外循環の世界をリードして来ました。
ソーリンの人工肺には、新生児用、乳児用、小児用、成人用と患者さんの体格や病状に合わせて多様なサイズと性能の製品が用意されています。 ソーリンは約20年前の1985年、世界初の乳児・小児専用人工肺を発売し、1990年には世界初の小さな体格の成人用人工肺、さらに1993年には世界に先駆けて、生まれたばかりの新生児のために人工肺『リリプット』を発売し、世界各国の心臓外科医や臨床工学技士の方々から人工肺のパイオニアとしてのご評価をいただいてまいりました。
また、ソーリン・グループは、人工心肺装置では世界で65%以上の、人工肺では35%以上のシェアを持ち、最新の技術を集約した新製品を日本の手術室にお届けし、その信頼性と安定性が高く評価されています。

右・写真提供:手稲渓仁会病院
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